平成11年第5回市議会定例会 一般質問 4番 尾関栄子
日本共産党を代表して、通告に従い質問させていただきます。
市長の明解な答弁を求めます。
質問も重複することもあるとは思いますが、ご了承ください。
市長に三項目についてお尋ねいたします。
まず、介護保険制度についてお尋ねいたします。
だれもが安心して公的介護を受けられる制度を確立し、深刻な家族介護の現状を解決することは、市民の緊急で切実な願いです。
ところが、認定作業が始まるなかで、自自公3党の介護保険見直し案を受けて政府は、「介護保険を円滑にすすめるための特別対策」を決めました。
ご承知のように政府案の骨子は、次の4点です。
(1)65歳以上の保険料は、半年間徴収しない、その後1年間を半額にする。
2002年10月からは全額本人負担。しかもその半年後から3年ごとに見直し、10%程度の値上げ予定。
(2)40歳から65歳までの人は、一部の医療保険者を対象に国が1年分を財政支援する。
(3)利用料の自己負担が一割のところ、現在無料になっている世帯のみ、ホームヘルプサービスを3年間に限り3%とする。
また、社会福祉法人が提供する在宅・施設サービスに限り低所得者(範囲は未定)は、自己負担5%にする。
(4)家族介護に対して慰労金を年10万円まで支給する。
ただし、対象は「要介護度4か5」の高齢者を家で介護し、年1週間のショートステイをのぞき、
一年間まったく介護サービスを利用しなかった住民税非課税の世帯。
政府見直し案は、基盤整備の促進や低所得者への減免、認定制度の問題には手付かずの状態です。
介護保険制度は、医療保険・年金保険・雇用保険・災害補償保険などに次いで来年4月から始まる5番目の社会保険制度です。保険制度ですから、保険料を徴収された国民は被保険者として、介護を必要とする事態になったら、介護サービスを受ける権利が生まれます。国はそれに対応して、介護サービスを提供する義務があります。
ところが、基盤整備の深刻な遅れがあります。
特別養護老人ホームの待機者が全国で約10万5千人(我党の国会議員団調査)、これは高齢者の人口に対して介護施設をどのくらいの割合でつくるのかについて、政府が現実に合わない低い基準(参酌基準)を自治体に押し付けているからです。
さらに「介護給付費に対する国の負担割合の後退」の問題です。介護保険の実施を境にして国、自治体、国民の介護費用(利用料除く)負担割合が様変わりします。
現行制度(今年度)では45%が国庫負担、国民の負担分は26%で残りが自治体負担です。介護保険導入後(2000年度)は、32%が国庫負担で現行よりダウンし、国民の負担は42%へと増大します。
介護保険の運営に責任をもつ各自治体の悩みは深刻で、NHK番組「動き出した介護保険」で紹介されたアンケート調査でも、2615自治体のうち、79%が「不安がある」と答えています。
国に対して、基盤整備や財政援助を行なうよう市と議会が一緒になって働きかけをしようではありませんか。
足利市においては、この政府見通し案をどのように受け止めているのか市長の見解をお伺いいたします。
さらに介護認定者を約4000人としたのは妥当でしょうか。
またその人数に対する基盤整備は十分に対応できるようにすすんでいるのでしょうか。
市長は福祉は後退させないと言われておりますが、今までは住民税非課税の高齢者からホームヘルパーの利用料は無料であったものが、介護保険によって保険料、及び利用料が負担となってしまい、結果として福祉の後退となってしまいます。
そこで住民税非課税の高齢者については保険料、及び利用料の減免がどうしても必要と考えますが、市独自の施策として実施する考えはありますか。
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