2000.06 |
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2000年第3回定例会で尾関さんが行った(6/8)一般質問は次の通りです. みだしは「おぜき栄子の広場」編集局でつけました. |
平成12年第3回市議会定例会 一般質問(6月8日) 4番 尾関栄子 通告に従い、日本共産党を代表して発言させて頂きます。市長並びに担当部局の明解な答弁をお願いします。 まず最初に介護保険制度についてお尋ねいたします。 全国で約250万人の高齢者が申請し、課題をかかえたまま介護保険制度が動き出しましたが、さまざまな不安や問題が出てきました。 ある施設では、「介護保険が始まる前は、いつも満床だったのに介護保険が始まったらショートステイのベッドが13床もあいており、経営が大変だ」とか、あるディサービス事業者は「土日も開設しているのに、まだ数人の利用者しかいない」 また、ある支援事業者では、「痴呆の方が認定が軽く、つきっきりの介護をしなければならないのに介護Uで、実状とあっていない」要支援のあるお年寄りは「今まで週1回のホームヘルパーを無料で受けられて来たが、有料になるのでこれからは自分でやる。」と断わっています。 また、要介護Xの父親が「今までほとんど無料で受けられたショートステイが月に5万円になって大変だ」など問題が続出しています. ケアマネージャーによるケアプラン作成が間に合わないという事態も生じました。これは、国が、報酬単価の決定を2月までおこなわなかったことなど、制度の決定の遅れとたび重なる変更によって、実施直前に膨大な作業を強いたことにも原因があります。 在宅サービスの基盤整備率が全国平均で33%と低く、実際に利用したくともホームヘルパー、デイサービスセンターや訪問看護などが十分でないからです。 また、利用料負担が高齢者には重いため、サービス利用をみずから制限するということも大いに関係しています。 実施直前のこうしたなかで、地域で生活している高齢者の立場で献身的な活動をされたケアマネージャーも少なくなかったと思います。 ケアプランの内容や水準が、本当に人間らしい暮らしを支援できるようなものとなっているかということも検証されなければなりまん。少なくとも、これまでに国が示した各区分毎の限度額まで実際に保障されなければなりません。多くの市町村が、限度額までのサービスが提供されていないのが現状です。 これまで週3回以上デイサービスセンターに通えていたのにそれが減らされ、あるいはショートステイなども不十分なために、心身機能が衰えたり、介護者にとっても、これまで以上に負担増になっていないかなども心配されます。 認定レベルの重い高齢者や重度の障害者にとっては、介護保険の限度額いっぱいの水準でも生活が維持できないことが想定されますし、その水準さえ保障されないこともありえます。 また、利用料負担にたえられないため、ケアプラン作成段階で介護サービスを自主的に現行より切り下げる、または限度内でも増やすのを我慢するといったケースも生じています。 このことは、大問題です。 自立と判定された高齢者にたいする介護予防・生活支援事業、特に軽度生活援助事業は、市町村にとってその独自性が出せ、活用しやすい制度です。この制度を活用し、要支援(介護)認定されたときにも家事援助を増やすことも可能です。 軽度生活援助事業の実施例として、外出時の援助、食事・食材の確保、寝具類等の大物の洗濯・日干し、洗濯物搬入、軽微な修繕等、家屋内の整理・整頓、多少目が不自由な人にたいするサービス、自然災害への防備など、多様な事業展開と生活支援が可能です。 このほか、リフトカーなどによる外出支援サービス事業、高齢者グループリビング事業なども、生活事業としての補助制度を活用し、実施 この事業費は、国が二分の一、都道府県と市町村が四分の一ずつを負担することとされています。
次に対等な立場でのサービス契約がなされているでしょうか。 4月から高齢者サービスが「措置制度」から、「契約制度」へ移行しました。 介護保険制度では、これまで市町村に対しておこなっていたサービスの申し込みと利用料の支払いは、事業者との契約によることとなります。高齢者・障害者は事業者と対等の立場とはいえず、情報も不十分であり、また利用したくても社会資源が不十分なため、自己決定ができない状況のなかで契約を結ぶわけです。十分な意志の表示や判断ができないことも当然想定されます。 契約制度は、高齢者や障害者にはなじまないものです。またサービス提供過程における苦情や問題が生じた場合には、これまでと違い、第一義的には当事者間の取り交わしにより、事業者が責任を負うことになっています。そのためには、十分に留意した契約のあり方が検討されなければなりません。そのために、市町村が住民の苦情を聞き、事業者に物申すことも求められます。それぞれの市町村において、苦情処理委員会やオンブズパーソン制度などの置・運営についての条例を定めれば、可能です。 非常に不十分な介護保険制度をより良い介護保険となるよう市民の立場に立った運営が求められます。 福祉の街足利、本当に住んでて良かったと市民から言われるような足利になるよう期待いたします。 以上のことを踏まえていただいた上で、保険者として責任を持つ市長ならびに福祉部長の明解な答弁を期待し、9点についてお尋ねいたします。 1)社会保障制度として介護保険を位置付け実施するなら、本来高齢者から保険料や利用料をとるべきではないと考えます。ましてや低所得者の保険料や利用料は無料にすべきです。 2)介護保険導入により、老人福祉に対する一般会計予算にはどのくらいの差額が生じたのでしょうか。 3)5月の要介護認定申請受けつけ(居宅サービス作成依頼届け含む)の状況はどうでしょうか。 4)4月の低所得者のサービス利用件数と金額は、どのくらいになるのでしょうか。 5)県内で初めて足尾町が、65歳以上の低所得者の介護保険料を半額減免を決め、利用料についても半額減免を検討することになりました。 6)訪問・通所介護、短期入所等の各事業所ごとの利用状況はどうでしょうか。 7)特別養護老人ホームの待機者はどのくらいでしょうか。また、待機者への対策を講ずるべきではないでしょうか。 8)介護保険に関する情報(施設情報、施設の空き情報など)を収集して、公開すべきではないでしょうか。 9)苦情処理、介護保険における相談を受ける第三者機関として「なんでも相談センター」を設置すべきではないでしょうか。 2.議案第52号から第56号までの各工事請負契約についてお伺い致します。 ・各落札金額は予定された価格の何%になるのでしょうか。 ・全部の指名競争入札が1回で落札されている理由は何でしょうか ・更に、議案第54号の小俣小学校の竣工期日を早めて平成13年9月1日の新学期より利用するようにできないでしょうか。 3.議案第59号工事委託契約についてお伺い致します。 ・日本下水道事業団に委託する理由は何でしょうか. ・直接、市が業者を設定して発注することができないのでしょうか. ・技術的に大手でなければできないほど高度な工事なのでしょうか. ・地元業者にできることは、分割発注などの手立てが取れないのでしょうか. .日本下水道事業団への委託契約の事務費は何%でしょうか. ・契約時、地元業者ができることは地元業者に優先発注するなどの条件をつけるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
4.商店などの中小企業対策について経済部長にお尋ねいたします。 自公保政権がすすめる規制緩和策に、国民の批判が強まっています。酒屋、薬局、タクシーなど、業界団体から、国政への怒りがわきあがっています。 こうした批判を受けるなかで政府は、今年の3月31日、いっそうの規制緩和をすすめる「規制緩和推進3ヵ年計画」(1998年度〜2000年度)の再改定を閣議決定しました。この計画で、あらたに351項目が付け加えられ、規制緩和措置は十分野、1268項目に拡大しました。 閣議では、業界団体からつよい批判の声があがっている酒類販売業免許の規制緩和、タクシー事業の需給調整緩和についても、従来どおりの方針ですすめることが確認されました。 小渕内閣の全閣僚とその施策をそっくり引き継いだ森喜朗首相は、施政方針演説のなかで、「規制改革の一層の推進」(4月7日、本会議)を表明しました。官僚的で古い規制を緩和・撤廃することは当然ですが、現在、自民党政府がアメリカと日本の大企業の要求にそってすすめている市場原理万能の規制緩和は、弱い立場の者を弱肉強食の世界に投げ込むものです。 今、酒屋さん、薬屋さん、理容業、タクシー業界などの方達から、不安の声が寄せられています。 酒屋さんでは「商品の仕入れ価格より、量販激安店の方が安く売っている。」 足利における「街の活性化」計画にもマイナスの影響がでることが懸念されます。 以上の状況を踏まえ商店など中小企業対策についてお伺い致します。 2.商店等中小業者の実態調査を実施し、調査結果に基づく支援対策を強力に講じるべきと考えます。
5.教育行政について教育長にお伺い致します。 いま、子どもと学校との間に、重大なひび割れが起きています。 ひとつは「学校嫌い」で不登校になる子どもの数が年々増加していることです。 2つ目は子どもと教育をめぐる異常で深刻な新たな事態です。 「学級崩壊」とは子どもが荒れて授業が成立しない状況が、すでに日常化してしまっている学級のことです。 例えば授業中に教科書やノートを出さない、勝手に教室を立ち歩く、物を投げる、大声を出す、友達をたたく、一人で、あるいは集団で教室を抜け出す、教師が注意をすると「くそばばー」「死ね」といった罵声を浴びせたり、「ムカツクッ」といって机を小刀で彫ったり、給食をひっくり返したりするなど、こうしたことが、今は小学校の低学年から起きています。 学習指導要領の度重なる「改訂」により詰め込み、落ちこぼし教育が強化されてきた結果といえます。 例えば、以前は小学校3年生で半年かけて教わっていた掛け算九九が、今は2年生で1ヶ月で教わる。九九が解らなければ読めない時計の分までの読み方を1年生で教えるようになってしまいました。 これでは、生徒も大変ですが、教える先生も大変です。 教育基本法が目的とする教育は「どの子も豊かな人間性を備えた一人の人間として、大切に育てていく教育」です。 更に、学区再編成の過程で、却って1クラスの生徒数の増加が懸念され学校の規模を大きくするマイナス面が心配されます。 そこで、教育長にお伺い致します。 本市では心の教育相談員が子ども達の相談相手として学校に配置されておりますが、身分がパートであり、週4日で1日4時間と中途半端であり、子ども達が学校にいる間は、相談員の先生がいられるように常勤化するべきと考えます。 また、文部省が調査した結果では、1クラスの生徒数が多いほど学級崩壊の率が高くなる傾向にあり、21人から25人のクラスが一番低い結果となっています。また、文部省協力者会議では、都道府県単位で30人学級を可能とすると結論づけたと報道されています。
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