2001.03
2001年第1回定例会で尾関さんが行った一般質問は次の通りです.
質問日 2001年03.08
みだしは「おぜき栄子の広場」編集局でつけました.
2000.03.31

市長柳福祉部長小池市民生活部長吉田教育長再質問と市長答弁吉田教育長
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介護保険制度家電リサイクル法について教育問題西小学校統廃合問題


4番  尾関栄子

通告に従い、日本共産党を代表して質問させていただきます。質問もここまできますと重複することもありますが、視点を変えて質問させて戴きますのでご了承ください。

1.介護保険制度についてお尋ねいたします。

2000年4月から、導入された介護保険は、高い利用料にくわえ、10月からは65歳以上の保険料徴収がはじまり、矛盾が各地で吹き出ています。また、今年の1月からは介護保険の負担に苦しむお年寄りに医療でも1割の定率負担がおしつけられるうえ、さらに、4月からは国民健康保険証の取り上げの制度化がおこなわれようとしており、お年寄りの生活がいきるすべにたいして容赦ない攻撃のなかで、お年寄りや家族の怒りが強まっています。

地方自治体の窓口に「こんなに高い保険料、払えないのでやめたい」,「いつまで保険料を払えばいいのか」,「住民税非課税の世帯からも保険料・利用料を払えというのか」など多くの問い合わせや苦情が寄せられています。

国が効果ある打開策を出さない中、住民の運動もあって、保険料、利用料の減免をする自治体が増えています。

昨年4月の厚生省「介護保険施行直後調査」での区市町村で独自に減免策をとっていたのは保険料で150自治体、利用料では247自治体でした。全日本民主医療機関連合会の今年の1月25日現在調べでは保険料258自治体、利用料408自治体に広がっています。

重い負担で苦しむ低所得者にこれ以上の負担をかけられないとして、多くの自治体が独自の減免措置に踏み切っています。減免数は、助成、条例規定をつくったものなどを含んでいます。

厚生省は、こうした自治体の動きを押さえ込む干渉をこころみましたが、結局は政府も国会で介護保険は市町村固有の自治事務であることを認めざるをえず、介護保険制度の矛盾への住民の怒りと批判がひろがるなかで、政府も露骨な介入、干渉ができなくなっています。

千葉県では、自治体の裁量権を盛り込むなど保険料減免にとりくむ自治体が広がっています。船橋市は、昨年の9月議会で、減免基準を明らかにしました。

「合計収入が生活保護の基準額の1.2倍未満」の世帯を対象に、第1段階の人は保険料の2分の1、第2段階の人は3分の1を減免するというもの。持ち家に住む70歳以上の単身者で約10万9千円以下、持ち家に住む70歳以上の夫婦は合計収入約17万4千円以下の世帯が対象になります(年齢や家賃、身障などで加算あり)。

2月14日現在、減免が認められたのは81人。「医療費がかさんで困っていたが、(減額分)を医療費に回せる」(通院中の老夫婦)。月7万円の年金で暮らす女性(69歳)は、2000年度分保険料(6,410円)のうち、2月に天引き予定だった2,100円が減免されました。「2,000円といえば、3,4日分の生活費。助かりますよ」と言います。

「10月から保険料が倍になるというけど、年金は増えるわけではないし・・・。死ぬまで引かれるというのは本当に不安です。」 

奈良県でも介護保険の保険料、利用料を減免する自治体が広がっています。国は低所得者の特別対策として制度開始前からホームヘルプサービスを利用している高齢者への減免措置(本人負担3%)を実施しています。御所市(ごせし)と平群(へぐり)町では1部サービスの利用料を軽減。

平群(へぐり)町では所得階層が第2段階の生活困窮者(生活保護基準以下)を対象にホームヘルプサービスのほか、デイサービス、ショートステイも本人負担3%に軽減しています。

2月8日時点での減免認定者は在宅サービス利用者の約2割の32人。この施策による街独自の予算見込みは、65万円程度です。同町介護保険運営協議会の岡田正一会長(日本共産党町議)は「やる気があればすぐできる額」といいます。同協議会では、軽減対象サービスの拡大や、低所得者に対する1号保険者の保険料の減免制度を検討しています。

同町の昨年11月末期限の保険料滞納者は第3段階以下で全滞納者の84%、第2段階では5人に1人が未納(1月17日現在)です。同県市長会(10市)では独自に、第1段階、第2段階の新規のホームヘルプサービス利用者にも4月から適用することを決めました。

地方自治体の保険料・利用料の減免は高齢者や家族にとって待ったなしの状況の中で広がっています。同時に介護保険制度のさまざまな矛盾の根本には、介護保険制度の導入で国庫負担を一気に25%に減らした問題があります。介護保険の財源構成にメスを入れ、国庫負担を4分の1から2分の1にひきあげるならば、高齢者の76%を占める住民税非課税者の保険料、利用料を基本的に免除できます。足利市も引き続き国に対して、国庫負担を増やすように働きかけをおこなうべきです。

さて、足利市はどうでしょうか。

今年の1月31日現在、申請者が4,049人、そのうち判定者2,862人、その中で介護保険を受けている人は、2,625人です。したがって認定を受けながら介護保険を受けていない人が237人もいます。

ホームヘルプサービスは、4月から9月までの半年間で388人から557人になり、169人増え、うち低所得者261人から55人が増え316人になりました。これは、国の特別対策に加えて、市独自で新規のホームヘルプサービスにも3%利用料を実施したことによる成果が少し現れています。

ホームヘルプサービスの利用率は、事業計画に対して、44.9%です。デイサービスは、事業計画に対して、99.4%の利用状況でした。ショートステイは、事業計画に対して38.8%の利用状況でした。「せっかくショートステイの期間が増えても、利用料が高くて、限度額いっぱいは受けられない」と苦情がでているほどサービスが受けずらいものとなって
います。

9月議会で発言した「安心できる介護保険をすすめる会」の「利用者のアンケート調査」でも明らかなように利用料が高いためにサービスを控えている結果がはっきり出ました。

議会の度に要求してきましたが、利用しやすい介護保険となるようにするためには、高齢者の保険料・利用料の減免、とりわけ低所得者の減免がどうしても必要です。自治法第2条に照らしても低所得者対策を実施することが、自治体の責務です。

県内でも、足尾町、小山市に続いて栃木市でも低所得者の保険料の減免を検討することが3月議会で明らかになっています。

介護予防・生活支援事業は、国の2001年度予算は、2000年度の367億円と家族介護支援対策100億円を統合し、33億円を足して500億円が計上されています。

多数のメニューがあり、新たに経済的理由で成年後見制度を利用できない人を支援する制度、話相手になるなどボランテアによる地域介護の支援などが加わっています。将来にわたって自立した生活を営んでいくためにも予算をふやすべきです。

以上の事を踏まえて9項目について市長ならびに福祉部長にお尋ねいたします。

・保険者の責任として、現在の進捗状況はどうでしょうか。

・予算に対して、現在までの歳入歳出の執行率はどのくらいでしょうか

・ 介護保険料の普通徴収の収納率はどのくらいでしょうか。

・ 希望するすべての高齢者が介護保険を利用で きるようにとりわけ低所得者の保険料の減免、利用料の減免を行うべきではないでしょうか。当面、ホームヘルプサービス利用料3%への減免を他のサービスにも広げるべきではないでしょうか。

・低所得者のホームヘルプサービスの利用状況、及び生活保護者のホームヘルプサービスの利用状況はどうなっているのでしょうか。

・介護保険事業計画と比較して、現在までのホームヘルプサービス、ディサービス(ディケア含む)、 訪問看護、ショートステイの利用状況、及び利用率はどうでしょうか。

・介護保険事業計画で指定介護療養型医療施設(療養型病床群)207床がまだ準備できず、県外等に依存していますが、今後どのように進めていかれるのでしょうか。

・昨年の6月議会で市長は介護保険の導入により老人福祉に対する差額の5,300万円は介護予防、生活支援事業に重点的に充てると答弁されました。寝たきりにならない為に介護予防、生活支援事業はますます重要であるにもかかわらず、昨年より予算を減らしたのはなぜでしょうか。 

・訪問介護、通所介護、短期入所サービスをもっと積極的に宣伝、活用し更に配食サービスや高齢者が気軽に集まれる居場所「街角ディハウス」つくり等、高齢者が望む支援事業に広げていくべきではないでしょうか。

つぎに家電リサイクル法についてお尋ねいたします。

家電リサイクル法も実施まで1ヶ月をきり、今まで無料か千円単位の引き取り料で済んでいた廃家電のうち、テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫の4製品にリサイクル料と収集、運搬料がかかるようになります。

97年4月に容器リサイクル法が施行されペットボトルのリサイクルが義務付けられました。2000年からはその他のプラスチック、紙容器が容器リサイクル法の対象となっています。

ところが、ペットボトルの生産量が5年間で倍近くに増えたため、ゴミの量は1.6倍に増え75,000トンも増えてしまっています。このような結果になった原因に日本のリサイクル法はごみになるものを生産、流通させる企業が最終的な処理まで責任を負うシステムとなっていないからです。

ドイツでは処理困難物を造ったり、使ったりする企業が膨大な回収、処理費用を負担しなければならないようなしくみが法律で定められているため、企業がゴミになる物、処理困難な物を作ることをやめざるをえなくなったのです。

容器リサイクル法が施行される前はペットボトルは使い捨て容器で批判が強かったため、業界は1リットル以下の容器は造らないという自主規制を行っていましたが、容器リサイクル法によってリサイクルされるということになったため、業界は堂々とミニペットボトルを大量につくりだしました。

いくら造っても自治体が集められる分をリサイクルすればいいわけですから、自治体の収集量が増えない限りメーカーの再商品化による痛みはありません。一方、自治体はペットボトルの回収、運搬は費用がかかって大変と悲鳴を上げていますから収集量が増えるわけはありません。

結局メーカーにしてみればどんどん造ってもなんの痛みも感じないから生産量を平気で増やす。これでは企業がリサイクルに真剣に取り組むはずがありません。

4月から施行される家電リサイクル法も引き取り料や運搬費用を消費者が負担するような仕組みとなっており、消費者とのトラブルから小売店が運搬費用を負担せざるをえなくなる場合もあるとの話も聞かれます。家電リサイクル法では引き取り料や運搬料を消費者が負担し小売店等が指定引取り場所まで運んだものについてのみ製造メーカーはリサイクルを行うというものであり、製造した製品全部に対しての責任は負っていません。これではペットボトルと全く同じで製造責任があいまいなままです。

わが党は製造者の責任を明確にしてこそ、素材、設計、製造も含めたリサイクルを促進できることを示し、根本的に再検討をすべきだと主張し、環境に関わるすべての分野で「大企業の製造責任、排出責任を厳しく問う環境保全のルールを確立」することを提案しています。

足利市では家電リサイクル法の施行に伴い、家電4品目の引き取りを中止する方針を打ちだしておりますが、栃木県内の26の自治体では収集運搬体制を整える方向です。

そこで、市民生活部長にお伺い致します。

・消費者負担が増大する事により、不法投棄が増えることが心配されますが、どう考えているのでしょうか。

・不法投棄が増えた場合、どう対処しようとしているのでしょうか。

・リサイクル費用の負担を含め家電メーカーの責任で廃棄物を処理するという考え方に立ち家電リサイクル法の抜本的な見直しが求められていますが、国に対して製造責任を追及し法改正をするよう働きかけるべきではないでしょうか。

つぎに教育問題西小学校統廃合問題についてお尋ねします。

いま日本の子どもと教育の現実は、困難にみちています。「いじめ」や学級崩壊、校内暴力、児童虐待、不登校も増大しています。あいつぐ少年犯罪に国民だれもが心配しています。

98年6月に国連の子どもの権利委員会は、日本政府に「児童が高度に競争的な教育制度のストレス及びその結果として余暇、運動、休息の時間が欠如していることにより、発達障害にさらされている」と勧告しました。

主要国政府への勧告のなかで「教育制度」そのものが不適格だと批判されたのは、日本だけです。いま子どもたちのなかに「学力の危機」ともいうべき深刻な事態が広がっています。

1つは、授業が「わからない」という事実です。

文部省の調査で、小学生全体で「よくわかる」子どもの割合は、19.9%、5人に1人です。

中学校2年生の「よくわかる」は4.7%、20人に1人で「だいたいわかる」をあわせても半数にもとどきません。義務教育の授業を半分の生徒しかわからないということは驚くべきことです。

高校2年生では「よくわかる」は3.5%、これはもうクラスに1人いるかいないかです。

もう1つは、勉強が「嫌い」という事実です。

文部省は、”学力は概ね良好”の根拠として、国際数学、理科調査で日本の子どもの成績がいいことをあげます。しかし同時にどちらの教科も「嫌い」の割合がトップクラスで、数学や理科を使う職業につきたいという子どもの割合も最低です。

大事なことは、「学力の危機」は、子どもにとって、人間としての尊厳や誇りに結びついていることと、学校教育の根本に関わる問題です。これは、自民党政府・文部省が長年つづけてきた、競争主義、管理主義の強化という教育政策がつくりだした危機です。

「学校の勉強だけではわからない、塾通いをしないとわからないのが当たり前」という異常な事態は、学習指導要領のおしつけによって、学習内容が系統性を欠いた断片的知識を棒暗記させるというゆがみをもっていることとともに、基礎的な科目に必要な授業時間を保障していないことも大きな原因の1つとなっています。

すべての子どもに基礎的な学力を保障することは、国民の根本的な教育要求であり、憲法と教育基本法が要請している学校の基本任務です。学習内容を子どもの発達段階にそくした系統的なものにするとともに、真に基礎・基本的な事項については、十分な授業時間をとってすべての子どもがわかるまで教える教育への改革が必要です。

それらを保障するためにも、30人学級を実現し、さらに少人数学級へとすすむことが不可欠です。そのための教員の増員と教育予算の増額、学校の民主的運営が不可欠です。

教育基本法第10条は、第1項で「教育は不当な支配に服することなく全体にたいして直接に責任を負って行われるべきである」とし、それを受けた第2項で「教育行政は、この自覚をもとに教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標としておこなわれなければならない」と書かれています。10条全体は教育行政ですが、その教育行政を考えるうえで「教育とはなにか」ということをまず考える、そして教育の自由の精神を貫徹しなければならないことをあきらかにしています。

教育は子どもたちの人間性の開花をめざす、そのためには教育の自由を大切にし、教師の自由も親の参加も大事なんだと言う読み方をする必要があります。行政はそれを励ますために、適切な諸条件の整備確立をする責任があるといっています。

西小学校の統廃合問題は、足利市の教育行政と議会が鋭く問われています。

西小地区の住民から、平成9年7月、3,000名の反対署名、平成12年12月5,378名の反対署名を市長あてに提出され、話し合いも何回となく行われていますが、住民を説得することができないまま条例改正し、今回の事態に至っています。

また、議会に対し話し合いの要請が数回あったにもかかわらず、応じなかったことは非常に残念です。

西小地区の父母の方や地域住民の方々の子どもを守り、地域を守る運動をおこし、やむにやまれず行政訴訟に踏み切った勇気に敬意を表します。

小学校を中心としてつくられてきた地域社会の核としての小学校をなくすことが、どんなに大変なことか、市街地の空洞化に拍車をかけ、地域社会の崩壊につながりかねない事態をまねくことも考えなければなりません。だからこそ学校の統廃合は、慎重に時間をかけて住民の納得と合意の基に行わなければなりません。

そこで、教育長にお尋ね致します。

・1973年、文部省は全国的な学校統廃合反対運動におされ 「小規模学校には職員と児童・生徒との人間的なふれあいや個別指導の面で小規模学校としての利点も考えられる」,「学校の地域的意義を考えるべき」など、学校統廃合 "Uターン"通達「公立小・中学校の統廃合について」を出しました。また、過疎地域活性化特別措置法も、「小規模の小学校及び中学校の特殊事情にかんがみ、その教育の充実について適切な配慮をするものとする」(第20条)と定め小規模学校の充実を明記するに至っています。小さな学校を守り大切にすることは、21世紀に相応しい地域に根ざした人間らしさあふれる学校づくりではないでしょうか 

・西小学校の統廃合問題について、行政訴訟という事態に至ったのは、地域住民との合意がないまま「条例改正」をおこなったことが原因と思われるが行政としてどのように考えているのでしょうか。

・今後、住民との関わりの中で教育行政をどう進めていくのでしょうか。訴訟の結果に関わらず子ども達が混乱しないように最善の方法を考えるべきではないでしょうか。 

・そして、地域住民と西小の先生方も交えて最後の最後まで話し合いを行うべきではないでしょうか。

以上で質問を終わらせていただきます。

吉田教育長再質問と市長答弁吉田教育長
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